目次
施設介護士としてのスタートと成長
私が介護業界で働き始めたのは、特別養護老人ホームの施設介護士としてのスタートでした。社会福祉士の専門学校を卒業して社会福祉法人で働き始めました。私は体が小さいので、特に、移乗に対しては、どのように力を入れればご利用者に負担なくできるのか分からず、毎日が不安の連続でした。
先輩の指導と仲間との練習
そんな中で、私を支えてくれたのは、何と言っても先輩の存在でした。最初の1か月間、先輩にしっかりと指導してもらい、身体介護の基本から利用者との関わり方まで、一つ一つ丁寧に教えていただきました。そのおかげで、少しずつ自信を持てるようになりました。また、友達や家族、同僚に介助の練習台になってもらい、身体介護への自信もつけていきました。あの時に男女問わず人を抱っこさせてもらった経験は本当に自信になりました。
利用者との信頼関係
利用者やその家族から「ありがとう」と言われることが、私のモチベーションになりました。最初は自分の名前を覚えてもらえることすら嬉しく、少しずつ利用者との距離が縮まり、信頼関係が築かれていくのを実感しました。別の回に書こうと思いますが、担当した利用者が亡くなったとき、家族から「あなたに看取ってもらえて幸せだと思います」と言っていただいたことは心にずっと残っています。
勤務時間の工夫と息抜き
勤務形態にも慣れるまでには少し時間がかかりましたが、早出勤務は終わる時間が早く、仕事が終わった後にこっそりアルバイトをしてお金を稼ぐことができるので、気分転換にもなりました。夜勤は体力的に大変でしたが、その中でも楽しみがありました。それは、夜中に先輩と一緒に食べるスイーツ。疲れた体を癒す、そんな小さな楽しみが夜勤を乗り越える力になったんです。昼と夜では施設の雰囲気も違い、夜だからこそ眠れない利用者とゆっくりかかわることができたのも私にとっては好きな時間でした。
施設で働いた10年間
そんなこんなで約10年施設の介護士として働きました。その間に結婚、出産(×3)介護福祉士の取得をしました。その時の介護福祉士の資格は今とは違い、実務経験3年で受験資格があり、筆記試験と実務試験に合格すれば取得できました。
今から20年ほど前は介護業界は「妊娠=退職」の時代。私は夫が無職(このへんの話はまた機会があれば・・・(笑))だったこともあり、施設にとっても法人にとっても初めての産休育休取得介護士となり、育児短時間勤務や子の看護休暇などの法人の規定整備にも一役買いつつ、無理がたたったのか大きな病気をしたため大好きな施設を退職することとなりました。
この10年があったから今も介護の仕事が好きでこの業界にいると思っています。勉強になったし、今でもいい思い出です。